ゴルフウェッジのロフト角とは?初心者向け徹底解説
ゴルフにおいて「ウェッジ」は、特にアプローチショットやバンカーショット、グリーン周りでのショートゲーム(フルスイングをしないショットの総称)で活躍するクラブです。その中でも「ロフト角」は、ショットの高さやスピン量に大きな影響を与える重要な要素です。本記事では、初心者の方にもわかりやすくゴルフウェッジのロフト角について詳しく解説していきます。
1. ロフト角とは?
ロフト角(Loft Angle)とは、クラブフェースが垂直に対してどれくらい傾いているかを示す角度のことです。単位は「度(°)」で表され、角度が大きいほどフェースが上を向き、ボールが高く上がりやすくなります。
例えば、ドライバーのロフト角は一般的に9~12度程度で、ボールを遠くへ飛ばすために低い角度になっています。一方、ウェッジは短い距離でボールを高く上げることが目的のため、ロフト角が大きくなります。

ロフト角の重要性
ロフト角は、ボールの弾道を決定する重要な要素です。
- ロフト角が小さい → 低い弾道でランが長くなる。
- ロフト角が大きい → 高い弾道でスピンがかかりやすく、ボールが止まりやすい。
また、フェースを開いたり閉じたりすることで、ロフト角を調整することが可能です。例えば、バンカーショットではフェースを開くことでロフト角を増やし、より高く柔らかい弾道を作ることができます。
2. ロフト角によるボールの飛び方の違い
ロフト角の違いにより、ボールの飛び方やスピン量が大きく変わります。
- ロフト角が小さい(40~50度)
- 低い弾道で転がりが長くなる。
- フルショットで飛距離を出しやすい。
- 風の影響を受けにくい。
- ロフト角が大きい(50~64度)
- 高い弾道で落下地点で止まりやすい。
- スピンがかかりやすい。
- 風の影響を受けやすい。
風の影響を考慮したショット選び
- アゲインスト(向かい風)のとき
- ロフト角が大きいと風に流されやすいので、低い弾道で打つ。
- スピンを減らし、ランを増やすことが効果的。
- フォロー(追い風)のとき
- 高いボールで風を利用して飛距離を伸ばす。
- スピン量を抑えると転がりやすくなる。
コースの状況に応じたショットの選択が、スコアアップの鍵となります。
3. ウェッジの種類とロフト角
ウェッジにはいくつかの種類があり、それぞれロフト角が異なります。
各ウェッジの特徴と用途とフルショット時の飛距離目安
ピッチングウェッジ(PW)
- 飛距離がある状態からグリーンを狙う場面で活躍し、ランを活かしたアプローチにも向いている。
- ロフト角:40~46度
- 近年のPWはロフト角が立ってきているものが多くなり、ストロングロフトと呼ばれ、初心者でも遠くに飛ばすことが可能となっている。
- 以前のPWは45〜46度が主流であり、現在も上級者やプロゴルファーなどに好まれる。ロフト角が大きいことからスピンがかかりやすくボールが止まりやすくなっている。
- フルショット時の飛距離目安
スイングスピード/ PWのロフト角 | 35m/s〜40m/s | 40m/s〜45m/s | 45m/s〜50m/s |
40°以下 | 95y〜105y | 115y〜125y | 130y〜150y |
41°〜42° | 90y〜100y | 110y〜120y | 130y〜145y |
43°〜44° | 85y〜95y | 105y〜115y | 125y〜135y |
45°〜46° | 80y〜90y | 100y〜110y | 120y〜130y |
アプローチウェッジ(AW)
- ロフト角:48~54度
- PWとSWの間を埋め、50~80ヤードのコントロールショットに適している。
- フルショット時の飛距離目安
- スイングスピード45m/s以上:110~130ヤード
- スイングスピード40m/s:90~110ヤード
- スイングスピード35m/s:80~100ヤード
- スイングスピード30m/s:60~80ヤード
サンドウェッジ(SW)
- ロフト角:54~58度
- バンカーショットや柔らかい地面でのアプローチに最適。
- フルショット時の飛距離目安
- スイングスピード45m/s以上:90~110ヤード
- スイングスピード40m/s:70~90ヤード
- スイングスピード35m/s:60~80ヤード
- スイングスピード30m/s:50~70ヤード
ロブウェッジ(LW)
- フルショット時の飛距離目安
- スイングスピード45m/s以上:70~90ヤード
- スイングスピード40m/s:50~70ヤード
- スイングスピード35m/s:40~60ヤード
- スイングスピード30m/s:30~50ヤード
- ロフト角:58~64度
- 高い弾道でスピンを効かせたショットに適している。
4. 初心者向けのウェッジ選びのポイント
初心者の方は、まずピッチングウェッジ(PW)、アプローチウェッジ(AW)、サンドウェッジ(SW)の3本を揃えるのがおすすめです。
PWーAWーSWのロフト角が等間隔になるようにセッティングすると距離感を掴みやすくなります。
アイアンセットを購入した際には、セットの中にPWのみ入っているものと、PW・AW・SWがもともと入っているものなどがあります。PWのみの場合、個別にAW・SWを購入することをおすすめします。購入したアイアンセットのモデルを検索すると、PWのロフト角が分かりますので、AW・SWのロフト角を選ぶ際の目安になります。
アイアンセットがストロングロフトでロフト角が立っているPWを使用する場合、SWとの間の距離が大きくなり、中間の距離をAW1本ではカバーできないケースがあります。そのような際は、PWとSWの間に2本AWを入れるという方法もあります。
ウェッジの使い分けの具体例
- 100ヤード前後のショット → PWを使用し、しっかり飛距離を出す。
- 50~80ヤードのショット → AWを使い、ハーフショットやクォーターショットで調整。
- バンカーショット → SWを使い、フェースを開いて高い弾道で脱出。
- 短いアプローチ(10~30ヤード) → SWまたはAWでスピンをかけたり、ランを増やしたりする。
まとめ
ゴルフウェッジのロフト角は、ショットの高さやスピンに大きく影響する重要な要素です。初心者の方は、まずピッチングウェッジ(PW)、アプローチウェッジ(AW)、サンドウェッジ(SW)の3本を揃え、ロフト角の違いによる飛び方を理解しましょう。さらに、ロブウェッジ(LW)を取り入れることで、より幅広いコントロールショットが可能になります。
ウェッジの特性をしっかり理解し、実戦で活用できるように練習を重ねていきましょう!